カヘティ地方はジョージア・ワインを語る上で最も重要な産地で、国内ブドウ栽培面積の70%以上、収穫量の93%を占めています。
地理:国の南東部、大コーカサス山脈の麓にあり、南はアゼルバイジャンと国境を接しています。中央にあるトゥシフ・ゴンボリ山脈により、東側はインナー・カヘティ、西側はアウター・カヘティの2つに分けられます。多くのブドウ畑は、ジョージア最大の渓谷である北東部のアラザニ・ヴァレーを流れるアラザニ川両岸、トゥシフ・ゴンボリ山脈の斜面、大コーカサス山脈の麓に広がっています。
気候:内陸で黒海の影響をほとんど受けず、大コーカサス山脈からの寒気も加わる為、西部より乾燥しています。全般的に穏やかな亜熱帯性気候となり、年間降水量・積算温度は南フランスと同じくらいです。
土壌:石灰岩の下層土をベースに、沖積層の粘土とロームのテクスチャーを有する土壌が主体となります。粘板岩と片岩の存在が、一部のPDOの個性を生んでいます。
主要品種:白)ルカツィテリ(Rkatsiteli)、ムツヴァネ・カフリ(Mtsvane Kakhuri)、キシ(Kisi)、ヒフヴィ(Khikhvi)
赤)サペラヴィ(Saperavi)
ワイン:高品質なカヘティのワインは、ルカツティリ、ムツヴァネ・カフリ、サペラヴィ等、カヘティの土着品種を使って、ヨーロッパ式と伝統式醸造のどちらからも造られます。現在、多くのカヘティ・ワインはヨーロッパ式で造られていますが、カヘティ地方のクヴェヴリを用いた醸造法は歴史的にみても非常に重要で、世界でも類をみない独特な製法となっています。クヴェヴリを用いた醸造法は幾つかありますが、カヘティの製法が歴史的に最も古く実用的で海外でも注目されています。
PDO:現在25のPDOがあり、そのうち20のPDOがカヘティ地方にあります。
- カヘティ(Kakheti)
- コテヒ(Kotekhi)
- カルデナヒ(Kardenakhi)
- ティバアニ(Tibaani)
- ツィナンダリ(Tsinandali)
- テリアニ(Teliani)
- マナヴィ(Manavi)
- グルジャアニ(Gurjaani)
- ヴァジスヴァニ(Vazisubani)
- ムクザニ(Mukuzani)
- アハシェニ(Akhasheni)
- ナパレウリ(Napareoli)
- キンズマラウリ(Kindzmarauri)
- クヴァレリ(Kvareli)
- ハシミ・サペラヴィ(Khashmi Saperavi)
- アハメタ(Akhmeta, Akhmetis Mtsvane)
- アホエビ(Akhoebi)
- ツァラピ(Tsarapi)
- カフリ(Kakhuri)
- キシ・マグラーニ (kisi Magraani)